私が沖縄から東京へ引っ越すことになったのは、愛猫が14歳の時のこと。
猫が引っ越しに弱い生き物だということは充分知っていたし、ましてや14歳の高齢猫を飛行機に乗せて引っ越すなんて、私はなんて悪い飼い主なんだ…と落ち込んだ。
でも愛猫は、生後間もない子猫の時に拾って以来ずっと一緒に暮らしてきた家族。誰かに引き取ってもらうなんていう発想は無い。引っ越しが決まってからは「決めたからにはどうにかやるしかない!どうすれば猫にとって1番ストレスが少なくて済むか、調べて実践するしかない」と自分に言い聞かせて事を進めた。
結果的に、猫ちゃんは問題なく元気に引っ越しを終える事が出来た!
もうすぐ17歳になる今も元気に、ますます可愛く我が家で暮らしております^^
でも振り返るととても大変で心配で、今思い出すだけでも胸が苦しくなる引っ越しだった。
引っ越しが決まってから引っ越すまでに猫のためにやった事、当日の動き、引越し後のフォローなど、当時を振り返って体験談をまとめてみたので興味のある方はどうぞ!
当時は不安で不安で毎日ネットで検索しては、同じような境遇の方の体験談ブログなどを読んで勇気づけられました。この体験談もまた、誰かの役に立つ事を願って書きたいと思います!
猫との引っ越しが決まったらまずやっておきたいこと
猫の健康チェック
猫は環境の変化がとても苦手な生き物。誰が言ったか知らないけれど、ことわざにも「犬は人に付き、猫は家に付く」というものがあります。猫が人に懐かないとは決して思いませんが、確かに猫という生き物は家が大好きで、見ていてもかなりテリトリーを大切にしている気がする。
そんな猫ちゃんが引っ越しするとなると、かなりのストレスがかかるもの。ましてや飛行機に乗るなんて…人間の私には想像もできないほどのストレスなんじゃないかと思う。ほんとにゴメンよ…。
我が家の猫は、ただでさえちょっとした物音でビクッとしてしまう臆病な猫なので、飛行機のエンジン音なんかに耐えられるんだろうか…とそれはそれは心配だった。
だから体調管理はとても大切。かかりつけの獣医さんに健康状態をチェックしてもらって、飛行機での移動に耐えられるか相談してみると良いと思う。ウチの愛猫は当時14歳の立派な老猫だったけど、健康診断の結果は良好で飛行機での移動も大丈夫でしょうとのことだった。
普段からの健康チェック(排泄物の観察・抜け毛の量・目やに・歩行・食事と水の量等)はもちろん、引っ越しが近づいたら一度動物病院でしっかり健康診断をしてもらうと良いです。
ただ、健康な状態の猫でも、機内の大きな音や環境の変化でパニックになってしまったり、急に具合が悪くなってしまうという例もあると聞きます。到着後、万が一のときに備えて到着空港から近い動物病院を探しておくと安心。
専用キャリーケース(ペットケージ)を用意して慣らしておく
猫ちゃんを飛行機に乗せる場合、航空輸送に耐えられる強度のキャリーケースが必要。
各航空会社で準備してあるものをレンタルすることも可能ですが、犬や猫は匂いに敏感な生き物なので、出来れば専用のものを用意して慣らしておいたほうがいいのではないかと思う。きっとそのほうが安心してくれる。
・プラスチックや金属などの強度のある素材で作られているもの
・屋根付きで頑丈、航空輸送に耐えうるもの
・布製や紙製(ダンボール等)の素材ものはダメ
・側面に換気用の窓があり通気性のあるもの
・ペットが立つ、座る、方向転換する等のスペースが有るもの
とにかく慣れてもらおうと、キャリーケースの中でおやつをあげたりもしましたw飛行機での移動当日は、そのケージにずっと入っていなければならないので、少しでも慣れてくれたらいいなという私なりの考えです。
航空会社のホームページで注意事項等をチェックしておく
利用する航空会社のホームページで、ペットを預ける際の注意事項等をしっかり読んでおくのも大事!日程が決まっていれば事前予約するのはもちろんですが、ペットを預ける場合には当日、手荷物カウンターで同意書にサインをしたりする手続きなどもあるので少し早めに行くといいかな。
また、その書類の内容も前もって頭に入れておくほうが良いと思う。
各航空会社のホームページには、ペットと一緒に飛行機に乗る時の注意事項やチェック項目などが詳しく記載されているので、当日慌てることがないように必ず事前確認を!
【体験談】引っ越し前日までの動き
私の当時の環境
ここからは私の実際の体験談を紹介したいと思います。
まず私の当時の環境は、沖縄県にて独り暮らし+猫1匹。
そこから、結婚が決まっていた現在の夫が住んでいる東京都国分寺市への引っ越しというミッション。移動時間は、車での移動と飛行機の時間、待機時間等を合わせて約6時間程と見積もっていた。
夫は別の所にに住んでいたんだけど、私が越してくるということでマンションを契約。新居となるマンションへは私より先に入居ができるというのがラッキーだった。私の荷物を事前に送り、開封してもらえるから。
また、私が住んでいたアパートから車で5分の距離に、母や兄が住んでいたので荷物の片付けなどは手伝ってもらえた。ありがたや…。
退去日前日までにやったこと
猫の匂いがついた毛布やタオルケット、座布団、お気に入りのオモチャ数点は先に新居に送って開封してもらい、猫が到着した日に入ってもらう部屋に配置しておいてもらうことにした。
それから猫のトイレの砂(ある程度匂いがついたもの)も、ビニール袋に入れて袋を二重にして、更にジップロックに入れて送った。
屋根付きの猫砂トイレを使っていたんだけど、古くなってきていたから新居では新しいものを用意することにして、夫に用意してもらっていた。そこに匂いのついた砂を混ぜておいてもらった。
おかげで引っ越し先で新しいトイレに違和感なく馴染んでましたYO!
引っ越しの作業としては普通の引っ越しとさほど変わらないが、環境の変化に弱い猫ちゃんを気遣って、彼女のお気に入りの場所であるクローゼットの中は最後まで出来るだけ物を残しながら荷造りしたのがポイントだったかな。
うちの猫はとにかく臆病で、怖いことがあるとクローゼットの中に隠れる習性があるので、その中は退去日前日ギリギリまで服を残しておき、最後にまとめて箱に詰め込んだ。
移動時間が最短になるように計画を立てる
猫ちゃんの負担を少しでも減らすために、どうやったら移動時間を最短に出来るかと頭を悩ませた。
まず、
・那覇空港→羽田空港(約2時間15分)
これは短縮することは出来ない時間。飛行機には特急も鈍行もないからね!
では、短縮できる時間はあるか?
それは、車での移動時間。
出発の日に兄の家から那覇空港へ向かう際の車での移動と、羽田空港から新居までの車での移動。この2つなら時間帯によって交通量が変わってくるので少し時間短縮が可能だと考えた。
そこで出発の日は土曜日に決めた。土曜日の午前中は比較的交通量が少ないだろうと予測したからである。飛行機は朝1番早い便を予約。確か朝7時20分那覇発だったかと思う。
短縮できるのはほんの数十分ぐらいかもしれないが、何も考えずに渋滞する時間に移動して時間を食うよりは絶対にマシだ。
猫ちゃんの負担を少しでも減らすために、どんな交通手段が良いか、時間帯はどうするべきか考えて決めるのはとても大事なことだと思う。
【体験談】退居、当日(飛行機での出発前夜)
愛猫はペットホテルに預けることに
退居の日は午後3時に不動産屋さんと立会い引き渡しの約束をしていた。
すっからかんになった部屋で不動産屋さんと手続きを済ませて、無事に退居完了。この時点でもう猫ちゃんの落ち着く場所は無い。私は兄の家に1晩泊めてもらうことにしたけど、兄の住んでいるアパートはペット禁止なので猫ちゃんはペットホテルへ泊まってもらうことにした。
翌日は朝早くの飛行機で羽田空港へ向かい、到着後は車で国分寺市へ移動予定。猫ちゃんにとってはペットホテルに預けられた時から、引越し先へ到着するまでずっと落ち着かない状態となる。
本当に本当に心配だったけど、もう決めたこと。きっと大丈夫だと信じるしかなかった。
ペットホテルへ預けること自体、初めてのことだった。臆病だからと、それまで避け続けていた。私が旅行へ行くときは、近くに住んでいる家族にお世話をお願いしていたのだ。時々は預けて慣れてもらっておけば良かったかな…と思ったりした。後の祭りである。
ペットホテルに着いてからの様子
ペットホテルのオーナーさんはとても親切な人だった。
事情を説明し、翌朝の飛行機が早いから朝の6時に迎えに来たいという無茶なお願いをすんなりと受け入れてくれた。本当にありがたかった…。
さらに、ホテルに着いてからの様子を写真に撮ってくれていたり、ご飯を食べた量やオシッコの回数もきちんとチェックしてくれていた。やはり怖がってケージの中でじっと座っているだけだったらしい。持参したカリカリもパウチのご飯もあまり食べなかったらしいが、チュールは食べたらしいw
さすがチュールすごいぜ…。到着した後もしばらくお世話になりそうだからまとめ買いしといた。チュール様様です。
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【体験談】出発当日の様子(飛行機で那覇→羽田へ)
朝6時、ペットホテルへお迎えに
6時45分までに那覇空港に着かなければならないため、朝の6時にペットホテルへ愛猫を迎えに行った。少し怯えた様子だったが、飛行機に預ける為のキャリーケースに入ってもらって兄の車へ。
キャリーケースの中には、たっぷり匂いと毛のついたお気に入りのタオルを敷いておいた。
空港へ向かう車の中で、少しでも安心してほしくてずっと体を撫でていたけど緊張で固くなっていた…。かわいそうに。でも頑張ろうねとしか言えない。
6時40分、いよいよ猫ちゃんを預ける
結構時間がギリギリなのは、猫ちゃんの拘束時間を短くしたかったからなのだが、なかなか焦った。でも早朝の空港は空いている。手荷物カウンターへ行き、猫ちゃんを預ける手続きをする。
何かあっても責任は取れませんとか色々書かれた同意書にサイン。心配だけどもう信じて託すしか無い。担当してくれたお姉さんに「くれぐれも宜しくおねがいします」と言うと、「大切にお預かりします」と言ってくれた。ちょっと泣きそうだった。てか泣いた。
キャリーケースの中を覗き込んで声を掛けたが、「私どうなるの…」っていうおどおどした目で見つめられて辛かった…。
離陸
生まれ育って35年ずっと住んだ沖縄を離れる寂しさが無かったわけじゃないが、キャリーケースに入れられ、暗くてうるさい場所で怖がっているだろう猫のことが心配すぎてセンチメンタル・ジャーニーな気分にはなれなかった。その点は良かったかもしれない。
2時間ずっと猫の心配してても仕方がないから読書でもしようと思ったけど、全然頭に入ってこなくて窓の外ばっかり眺めていた気がする。
羽田空港へ到着、無事に猫ちゃんを受け取る!!
羽田空港へ到着したら、とにかく急いで荷物受け取りコーナーへ向かった。
そういえば確認しなかったけど、まさかあのレーンに乗って流れてくるのだろうかとドキドキしていたが、係のお姉さんが両手で丁寧に持って運んできてくれた!
キャリーケースの周りに網がぐるぐると巻かれた状態で、名前と預り証の確認をしたら網を外してくれて、無事に受け取り完了。
すぐに中を覗いて確認。さっきより怯えている様子はあるけど、大丈夫。無事だ。
ガラス越しに夫が心配そうに覗いているのが見えた。お迎えも遅れることなくバッチリだ。
あとは車で新居へ向かうのみ。
もう少し頑張れミント!!(ここにきて突然名前を公表)
羽田空港から車で移動、お昼前に国分寺市の新居へ到着
空港からはスムーズに…と言いたい所だが、首都高で出口を間違えたりするトラブルが発生しつつ、当初の予定よりは遅れてしまったけど無事に午前中で新居に到着することが出来た。
車内では私は後部座席に座った。横でキャリーケースの扉を開けて手を入れ、撫でたり、チュールを勧めたり、お水を勧めたりしたけどカチコチになって座っているだけだった。
でももう怖い移動は終わりだよー。あとは慣れてもらうしか無い!
【体験談】引越し後の猫ちゃんのケア
新居の1部屋は数日間猫ちゃんのためのスペースに
私と猫も無事に新居に到着したが、まだ翌日にも荷物の搬入作業が残っていた。ダンボールも山積みで荷解きやら何やらやることはたくさんあるが、猫のケアも忘れちゃいけない。
ケアというか、猫ちゃんはしばらく怖くて出てこれないだろうから落ち着く場所を確保してあげるのが大事だと思い、1部屋は開かずの間にすることに。その部屋のクローゼットの中に、旧居から送っておいた毛布やら座布団やら、猫ちゃんがお気に入りのグッズを入れておいた。
クローゼットを出た所にお水とご飯を置いて、同じ部屋に猫用トイレも設置。
必要なものを揃えたら、そっとしておくのが1番良いらしい。猫ちゃんはじっとして、しばらくしたら自分から動き出す。それを待つしかない。
心配な気持ちはあるけどあまり頻繁に覗きに行かないようにして、出来るだけ静かに荷解き作業を進めた。
SUUMOの引っ越しお役立ち情報に、猫ちゃんの引っ越しについて獣医師さんの話がまとめられていて参考になるので、よかったら読んでみてください!
翌日の夜、ソーッと部屋から出てきた
新居に到着した日は結局ずっとクローゼットの中に隠れたまま1歩も出てきてくれなかった。
でもご飯を確認すると、少しだけど食べた形跡が見られたし、オシッコもしていたので少し安心した。
引っ越し翌日も猫のいる部屋の扉は開けずに、引っ越し屋さんに荷物を搬入してもらい、荷解きをして部屋の片付けに徹した。数時間に1度、元気かどうか様子を確認するだけにしておいた。
するとその日の夜、私と夫がご飯を食べているとソーーーッと猫が出てきた。
少し歩いては、またクローゼットの中に隠れ、また出てきてウロウロしてダッシュで戻るっていうのを何度も繰り返していたw
いやーーもう本当に嬉しかった。まだ落ち着いてはいない様子だったけど、怖さよりも好奇心と、新居の確認の方に意識が向いたんだなーと。
その後は徐々に家の中を歩き回るように
2〜3日すると、夜暗くなってきたら部屋から出て家の中を探検するようになってきた。
キッチン、玄関、寝室、靴箱、とにかくいろんな場所を嗅いで回っていた。
私の旧居から持ってきた家具や家電も多いからか「おっ、コレは知ってる匂い…」っていうリアクションをしたりしていた。
家具の配置も出来るだけ前に住んでいた家と似せたつもりだったけど、彼女にはどう映っていただろうか…。あ、そうそうメスなんですこの子。
日に日に歩き回る時間も長くなり、1週間後には昼間でも出てくるようになっていた。
良かった…本当に良かった…(号泣)
家の中を歩き回るようになっても、彼女が落ち着けるスペース(クローゼットの中)は確保したままにしておいた。実際、引越し後2ヶ月ぐらいはその場所を寝床としてメインで使っていた。
引っ越した月が彼女の誕生日月で、新居で15歳を迎えた。めでたい!
まとめ
猫ちゃんと飛行機で引っ越しは結構な大イベントで、色々と気を揉む事が多いし大変だというのがホントのところ。でも、ちょっとした工夫をすることで、猫ちゃんの負担を減らしてあげる事は出来るはず!
この引越しで私が心がけたポイントは以下の通り!
長ーーい記事、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!
コメント
まさに今、もうすぐ14歳になる愛猫を 東京⇒沖縄 間で飛行機で移動させるかどうか検討しなくてはならなくなり、
「高齢猫 飛行機」で検索して、読ませていただきました。
沖縄出身ですが、現在、府中市に住んでいます。
10年前に、もう一匹の愛猫とともに、広島から飛行機で移動しましたが、どちらも、それほどの年齢ではなかったので、
新幹線と飛行で片道づつ乗せてみた結果、飛行機を選択しました。
この5月に、もう一人の子が二次の橋を渡ってしまい、この子にまで何かあったらどうしようと、逡巡しております。
まだ検討中ですが、とても参考になります。ありがとうございます。
4月に愛猫2匹を連れて九州→茨城県へ引っ越し予定です。
心配で心配で、しょっちゅうネットで猫移動などを検索しています。
新幹線と飛行機をかなり悩んでいます。参考にさせて頂きます。
詳しく書いて下さってありがとうございます!