生後10ヶ月の息子が川崎病で入院し、治療〜退院するまでの記録

子供の健康

名前すら知らなかった「川崎病」という病気。まさか自分の息子がその病気にかかることになってしまうとは思ってもみませんでした。
川崎病とはどんな病気なのか?どんな症状が出るのか?簡単にまとめてみました。
そして、生後10ヶ月の息子が川崎病と診断されて入院し、治療〜退院するまで、その後の経過についての記録です。今回は日記のような記事になっていますが、ご興味がある方は読んでみて下さい。

川崎病ってどんな病気なの?

川崎病は、川崎富作という先生が発見したことからその名前がつけられているそうです。
全身の血管に炎症が起きるという病気で、発見されてからまだ約50年程。
発症の原因は不明、日本では年間約1万5千人の子供が発病しているとのこと。

特徴のある6つの代表的な主要症状が数日かけて出てくる。その症状のうち4〜5つが当てはまると「川崎病」と診断される。症状が揃わない場合でも、その他の病気とは考えにくい場合に「不全型川崎病」と診断され、同じ治療を行う。(ちなみに息子は不全型でした)

適切な治療を行うことで症状は改善されるが、時に冠動脈瘤という心臓の後遺症が残る場合もあるので、回復後も定期的な検査を行うことが推奨されている。

川崎病の特徴的な症状6つ

  • 高熱(38℃以上)が5日以上続く
  • 全身に赤い発疹(BCG注射跡が赤くなる)
  • 唇が赤くなる、舌が赤くブツブツになる苺舌がみられる
  • 白目が充血する
  • 手や足が赤く腫れる
  • 首のリンパ節が腫れる

主要症状は上記6つです全身の血管の炎症を起こす病気なので、その他にも様々な症状が出る事が考えられ、関節の痛み、下痢など患者によって出てくる症状が色々あるようです。

息子が川崎病と診断されるまで

最初に気づいた異変

めっちゃ赤くなってる

その日の夕方、息子をお風呂に入れている時に「ん?BCGの跡がなんか赤くなってるな…?」というのが最初の気づきだった。それほど気にも留めずお風呂から出て、いつものように保湿剤を塗っていたのですが、今度は「ん?目がちょっと赤いかな…」という事に気づく。

更になんだか熱っぽい気がして、体温を測ってみたら37.8℃と微妙な数字。風呂上がりだからちょっと体温上がってるだけかな?もう少ししたらもう1度測ってみよう、と1時間後に検温すると38.0℃になっていた。うーん…風邪だろうか?でも目の充血と注射跡の赤みが気になる。

何でもすぐGoogle先生に頼る性分の私は、この段階で「発熱・目の充血・BCG注射跡赤い」と入力して検索してみた。そこで初めて目にしたのが「川崎病」という名前だった。聞いたこともない名前にビビりながらこのサイトを読んだ。どうか川崎病ではありませんようにと願いながら、その日は眠った。

このサイトは川崎病の事が分かりやすくまとめられていてオススメです。https://www.jbpo.or.jp/kd/

症状が消えることを願って1日様子を見てみることに

Google先生で川崎病という病気を知ってしまったものの、川崎病の特徴的な症状があまり出ていないという事もあり1日自宅で様子を見ることにした。川崎病の主要症状はどのサイトで見ても同じで、息子には分かりやすいそれらの症状(苺舌や全身の発疹、手足やリンパ節の腫れ)が出ていなかったので、きっと違うはずだと願った。

その日は2〜3時間毎に体温をチェックしていたけど、37.8℃を超えることはなかった。
「川崎病は38℃以上の発熱って書いてあるし、きっと川崎病じゃないはず!」と、自分に言い聞かせていたけど、それでも相変わらず目は充血しているしBCG注射跡は赤くなっているし、「やっぱ川崎病かもしれない…」と一日中悶々としていた。

当の息子の様子はというと、特に機嫌が悪いという訳でもなく、食欲もあり便も通常通り、目の充血と注射跡が赤くなっている以外いたって普通だった。

冷えピタ貼っといた

冷えピタ貼っといた

翌日、かかりつけの小児科へ

あまり眠れないまま迎えた朝、かかりつけの小児科の予約を取り、川崎病じゃありませんようにと念仏のように唱えながら息子を連れて行った。

診察室に入り、2日前からの流れをザッと説明した。
話を聞きながら症状を診てくれた先生が「川崎病っていう病気はご存知でしょうか」と言った時、ああやっぱりか…という気持ちだった。
「知ってます」と答えると、先生はびっくりした顔をしたので「目の充血・BCG跡が赤くなる、で検索したら川崎病っていうのが出てきたので勉強しておきました」と答えた。
そしたら「すごいですね」と褒められてちょっと照れてたんだけど、今思うとそれは多分Googleの事を褒めていたんだと思う。それだけで検索して簡単に川崎病という病気にたどり着くGoogleの事を。

まあそんなことどーでもいいよねーー。

とりあえず血液検査をしましょうということで、血を採られる息子はギャン泣き。
待合室で抱っこして待つこと15分、再び診察室へ呼ばれる。
川崎病の可能性があるので紹介状を書きます。大きな病院で検査してもらいましょう
と先生。白血球とCRP(炎症反応)の値が高く、これもやはり川崎病の特徴のことで、紹介状をもらって小児科を後にした。先生がわざわざ直接病院に電話までしてくれて、そのまま今から向かって下さいと言われた。

入院になるんだろうなーとぼんやり考えつつ、夫にその旨連絡を入れ、病院までのタクシーを手配した。採血で泣き疲れた息子は抱っこ紐の中でスヤスヤ寝ていた。

川崎病の疑いで入院になる

熱があるものの元気な息子

症状が出揃わない為「川崎病の疑い」経過観察ということで入院

紹介状を持って総合病院の小児科へ行き、先生の診察を受ける。
相変わらず発熱、目の充血、BCG注射跡が赤い、という3つ以外は症状が出ない息子。

主要症状6つのうち5つが当てはまる事で川崎病という診断をするが、息子の3つの症状だけではまだ判断しかねるという事だった。しかし、症状の特徴から川崎病の可能性はかなり高いのでそのまま入院して経過を観察しましょうとなった。

川崎病の症状の判断基準となる「発熱」というのは「5日以上続く発熱」のことらしく、息子は発熱してまだ3日目。主要症状もまだ3つ。なので入院して、他の症状が出るのを待つという変な状態に。
症状が出てくれたら早く診断もできるらしいのだけど、親としては痛々しい症状が出るのは見たくないし…かといって、「おそらく川崎病でしょう」という状態のまま、はっきりしないのもモヤモヤして心配だし…。

何だこの状況は!って感じでしたねホント。

発熱から5日経つのが先なのか、その他の症状が出てくるのが先なのか。
そのまま症状が出ない場合どうするのか?1日でも早く治療しなくて大丈夫なのか?
頭の中は「?」疑問だらけで相変わらず悶々とした状態で、とりあえず入院が決まった。

息子は全然元気だったが、この日から左手に点滴が繋がれてギャーギャー泣いていた。

入院2日目、太ももに薄っすら発疹が出る

お分かりいただけるだろうか…薄っすら発疹が。

息子の体温は38.3℃で、発熱し始めて4日目となる。相変わらず目は充血、BCG注射跡が赤い。
しかしそれ以外の症状は出てこない…と思っていたら、午後になって太ももに薄っすらと発疹が出てきた。川崎病を調べた時に出てくる事例の画像の発疹とは違って、本当に薄っすらで分かりにくいレベルだったけど、確かに発疹である。

回診で病室に来た先生にもその発疹を見てもらい「これで症状は4つですね」と言われた。そこで気になっていることを聞いてみた。

【症状が5つ以上揃わない場合はどうするんですか?】

明日で発熱から5日目になるので、他の先生とも相談して明日判断する。症状は4つだとしても、特徴から川崎病以外考えにくいので、不全型の川崎病として治療を開始した方が良い。症状が出てからなるべく早く治療することで後遺症のリスクも少なくなると考えられているので、これ以上は待たないほうが良い

その回答を聞いてホッとした。
症状が出るのを待ってるうちに手遅れになるのでは…というのが私の中で1番心配だったから。

入院3日目、川崎病と診断され免疫グロブリン製剤を投与

両サイドにぶら下がってる2本が免疫グロブリン製剤。

息子が発熱してから5日目となるこの日、朝の回診で病室へ来た担当医とその上司みたいな先生から川崎病として治療を開始しましょうと告げられる。

川崎病の治療「免疫グロブリン製剤」の投与

川崎病の治療法は「免疫グロブリン製剤」という薬を静脈に点滴することで、全身の血管の炎症を抑えて冠動脈瘤ができるのを防ぐらしい。医療について無知な一般人としては、聞いたことのない薬の名前にいちいちビビってしまう。

健康な方が献血してくれた血液から作られるという免疫グロブリン製剤は、血液中の成分で免疫システムにおいて大事な役割を担っているタンパク質だそうだ。聞いてもよくわからないけど、一通りの説明を受けてその薬を使うことの同意書にサインする。

 

どんな治療でもそうなんだけど、「万が一の場合」とか「副作用」とか物騒なことが書かれている書面にサインするのは緊張するね…

サインが終わると、準備を整えて午後から点滴で免疫グロブリンを投与することになった。
点滴で時間をかけて6本の免疫グロブリンを投与した。
ちょっとはっきり覚えていないけど、2本ずつを3回に分けてトータルで6〜8時間ぐらいかかったと思う。

投与中は、なにか色々な値をチェックするため、息子は足にも胸にもコードを繋がれていた。
グズった時に抱っこしなければいけないけど、これらを外れないように気にしながら抱っこするのが私には非常につらかった…。「ぅぉおおらっっぁああっ!」って引きちぎりたかった。

コードだらけで抱っこしにくい!

治療開始して数時間後に熱が下る

免疫グロブリン製剤の効果はてきめんで、投与開始して2〜3時間後には平熱に戻っていた
目の充血も少し良くなっているような気がしたし、もともと薄い発疹はさらに薄くなっていた。
人間の体ってすごいな、免疫グロブリン製剤すごいな、医療を研究している人たちってすごいな、と思いながら静かに喜んだ。

熱が下がった息子は、分かりやすく元気になって笑顔が増えた。免疫グロブリン製剤の投与が終わった後も点滴は継続中なので、相変わらず動きにくそうだったけどベッドの上でハイハイしまくっていた。
私は眠気と戦いながら、点滴のチューブが絡まって取れたりしないか気をつけながら見守っていた。

病院の付添用の簡易ベッドで熟睡なんて出来ませんから寝不足でひどい顔でしたわ…

入院4日目、ダメ元で言ってみたら点滴を外してもらえた

前の日の免疫グロブリン製剤の投与後に解熱し、すっかり元気になっている息子だったが、生理食塩水の点滴は続いていた。食欲もあり水分も十分に飲めていたので、点滴を外してもらえないかしら…と看護師さんに言ってみた。素人はコレだから嫌だわ…って顔されるのを覚悟で。
そしたら意外に軽いノリでこう答えてくれた。

ただの生理食塩水ですからねぇ。ご飯も食べてて、水分も飲めてるならいいと思いますけど…お母さんから直接先生に言ってみたら案外オッケー出るかもしれませんよ。

マジで?じゃあ先生に言ってみます!
ってことで、先生が病室に様子を見に来た時にダメ元で言ってみました。
「先生、熱も下がって元気だし、水分もバッチリ摂れてるし食欲もあるし、点滴外してもらえませんかね…」

そうですね…いいですよ外しましょうか。でもまた熱が出たらもう一度グロブリンを投与するという可能性もあるから、一応点滴の道だけは残しておきましょう。

言ってみるもんだーーー!ありがとう先生ーーー!
私は点滴のチューブを気にしながらの抱っこから開放される喜びで泣いた。
なんか病院って言われるがまま従うイメージだけど、自分なりの考えは一応伝えて見るものだなとこの時思った。

わーい!点滴取れたー!

入院5〜7日目、心電図・心エコー・胸部X線検査等をして経過を見守る

遊んで泣いて寝ての繰り返し。

薬で眠らせてから心臓のエコーと心電図の検査

免疫グロブリン製剤を投与してからすぐに熱が下がった息子は、その後も再発熱することはなく超元気。点滴が外れたこともあり、機嫌よくハイハイしたりして遊んでいた。
この2日間は、心臓動脈瘤が出来ていないか検査するため心エコーや心電図、胸部X線検査、血液検査などをした。検査だらけでなかなかハード。

心エコーと心電図の検査はじっとしていなければ出来ないため、眠る薬を飲ませて眠らせてからやるんだけど、薬を飲ませるのは大変だった。甘いシロップタイプのお薬だけど、まあ無理やり口に入れられるんだから泣くよね…。看護師さんと二人がかりで飲ませると、15分ぐらいで眠った。

息子の心臓のエコーの画像を見ながらなんとも不思議な気分になった。エコー画像を見るのは妊娠中のお腹の中の息子を見ていた時以来。あの時自分のお腹の中にいた小さな人が、こんなに大きくなって目の前にいて、その心臓をエコーで見る日が来るなんて…。
こんなに力強く、ドクドクと動いて立派に生きているんだなーって。暗い検査室の隅っこで涙しました。生命ってすごい。

心エコー、心電図は寝てたけど、胸部X線検査は起きてギャン泣きで大変だったな…。

経過順調な息子は元気にキッズスペースで遊んでいた

おもちゃいっぱいで大喜び。

元気に回復した息子はベッドの上でハイハイするだけでは物足りず、泣いて不満を訴えたのでキッズスペースに連れて行って遊ばせていた。おもちゃもたくさんあるし、大きい子向けのテレビゲームなんかも用意されていて充実した空間だった。

利用時間が決まっているので、それ以外の時間はベッドの上。
退屈でグズって抱っこ→寝る、というのを繰り返していた気がする。
息子もつらいだろうが、母もなかなか辛かった…。

家帰ってビール飲みてえええええ!と思いながら頑張ってた。

入院8日目で退院!その後。

川崎病の疑いで入院してから8日目の朝、先生から「よし、退院していいでしょう!」と退院の許可が出た。まーーーーー嬉しかったです本当に。治療後に症状が再発することもなく、心エコーと心電図の検査結果も問題なしとのことで、無事に退院することが出来ました。

退院してから3ヶ月間はアスピリンの服用、定期的に検査を受ける

アスピリンは、炎症を抑えたり血液を固まりにくくするための薬で、冠動脈瘤などの後遺症ができる可能性があるので服用が必要とのこと。1日3回を3ヶ月も…と思ったら、2ヶ月目頃から1日1回にしてもらえました。

また、発症してから1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、5年後と、心エコー・心電図・胸部X線検査をすることが推奨されているとの事で、定期的に病院へ行って検査を受けています。
息子は発症から6ヶ月後の検査まで終了しましたが(2020年2月5日現在)、今の所特に問題なくとっても元気に過ごせています。よかったよかった…。

まとめ

川崎病は1年間に1万5千人程の子供が発病している原因不明の病気です。
特徴的な症状が6つありますが、我が息子のようにその症状が出ないようなケースもあるようです。
息子の発症した症状、経過、入院と治療の様子などを記録として紹介しましたが、お子さんによって症状や様子が違うかと思います。

川崎病の主な症状「高熱が続く、赤い発疹がある、目の充血、口の中が赤い、リンパが腫れる、手足が赤く腫れる」というのがないか、注意深く観察して早めにかかりつけの病院で診察してもらうのが1番だと思います。

川崎病と診断されると、5日〜14日間ほどの入院・治療が必要となるケースが多いということ。
退院後も定期的に検査をすることで、後遺症が出来ていないかの経過を観察します。
特に問題がなければ、普通の生活が送れます。

息子はもうすぐ発症から1年が経ちますが、今の所何事もなく、風邪一つ引かない健康優良児として過ごしています。このまま何事もなく元気に育ってくれるのを祈りつつ、川崎病の原因の解明される日が1日も早く訪れますようにと願っています。

今回は個人の日記のようになっていますが、私自身、息子が川崎病になった時に心配で色々と調べていて、同じように川崎病でお子さんが入院した経験を綴ったブログに勇気づけられたので、この記録が少しでも誰かの役に立てばいいなと思って記録しました。

 

 

 

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